3月16日に東京地方裁判所民事第50部で言い渡された第1次及び第2次訴訟の判決について、原告全員は、3月29日付で東京高等裁判所に控訴しました。
一方で、原発事故の責任を認められ、賠償を命じられた国と東京電力も上記の東京地裁判決を不服として控訴しました。
以下では、弁護団が出した控訴のプレスリリースをお伝えします。
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福島原発被害東京訴訟・控訴の報告
2018年3月29日
福島原発被害首都圏弁護団
[連絡先]弁護士 中川素充(共同代表)
電 話: 03-5363-0138
FAX: 03-5363-0139
携 帯:090-3330-5496
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本日,「福島原発被害東京訴訟」(1次,2次)の東京地裁判決(2018年3月16日)について,原告全員が東京高裁に控訴いたしましたので報告します。
1 当事者
控訴人 17世帯47名全員
被控訴人 国,東京電力ホールディングス株式会社(当時:東京電力株式会社)
2 控訴審での請求内容
・ 慰謝料 800万円(一部請求)に減縮。
[1審では,1200万円(一部請求)であったが,印紙代負担等を考慮し,減縮した。]
・ 避難実費
・ 生活費増加分
・ 休業損害
・ 財物損害(不動産など)
慰謝料について,減縮したため,請求総額は,4億484万8033円となります
(1審認容額を含む)。
3 控訴に際しての声明(理由)
東京地裁判決は,国・東京電力の法的責任を明確にした点は評価しており,裁判所に敬意を表します。
しかし,裁判所が認めた賠償金額については,これまでの判決に比べれば前進しているとは言うものの,残念ながら,原告ら被害者の被害実態に見合ったものではありません。
そこで,控訴審において,原告らの被害実態,避難継続の合理性について,さらなる主張・立証をし,生活再建に見合った賠償を求めていくべく本日控訴をしました。