去る5月17日、東京地方裁判所の103号法廷において、福島原発被害東京訴訟の第23回期日が開催されました。
この日は、吉岡律夫氏(元東芝の技術者で、原子炉の設計や安全解析に携わった専門家)と辻内琢也氏(早稲田大学人間科学学術院教授で医師。医療人類学の専門家)の2名の専門家証人の主尋問が行われました。
吉岡氏は、東京電力や国の原発事故に対する法的責任を立証するための責任論の専門家証人として、原発事故の予見可能性や結果回避可能性について原子炉の構造や仕組みを中心に証言し、津波による建屋の浸水や炉心溶融を防ぐ対策を講じることが可能であったことを証言しました。
辻内氏は、避難者を対象に毎年行われている大規模アンケート調査をもとに、避難者が原発事故から数年を経過してもまだ高い精神的ストレスを抱えていることや、こうした避難者が受けている精神的ストレスの原因は何なのかを分析し、原告らが長引く避難生活の中で苦しんでいる状況を「構造的暴力」「社会的虐待」と表現し、原告らの被害の実態を明らかにしました。
さらに、法廷の終了後は、隣の弁護士会館で報告集会が行われ、それぞれ専門家証人の尋問を担当した弁護士からの報告などが行われました。
次回期日は7月5日(水)の午前10時から、場所は同じく東京地方裁判所1階の103号法廷で行われます。次回は、今回証言された吉岡氏と辻内氏の反対尋問(被告である東電や国の代理人からの質問)が行われる予定です。
裁判はいよいよ正念場を迎えています。是非次回以降も法廷の傍聴をお願いします!
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