区域外避難者をめぐる問題について(3)~公的支援の欠如[医療費]

今回は,区域外避難者に対する公的支援に関して,医療費の問題を取り上げます。

避難区域等からの避難者に対しては,原発事故が発生した直後から医療費の負担が猶予され,2014年2月末まで,医療機関における国民健康保険や後期高齢者医療制度の一部負担金の支払いを免除する措置が取られることとなっています。また,介護保険の利用者負担額についても同様の免除の措置があります。これらの保険料についても,同様に免除されてきました。
しかし,区域外避難者については,2011年3月11日に東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第2条第3項により政令で特定被災区域に指定された市町村に住所を有している者で,東日本大震災によって,自宅が全半壊したり生計維持者が廃業・休業・失職したりする等の一定の被害を受けている場合に限られます。つまり,区域外避難者の場合は,地震・津波の被害に遭った場合を除けば,医療費の免除を受けることがほとんど受けられないのです。

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