第3次提訴のご報告(73世帯234名)

今日,73世帯234名が,国,東京電力を被告として,東京地裁に訴訟を提起しました。
裁判所への入廷,記者会見には,原告となった各地域の方が多く駆けつけてくれました。
今回の提訴は,以下に述べるとおり,都内等に避難している人に加えて,福島県内で生活をしている人,福島県田村市常葉町早稲川地区の約2/3に及ぶ世帯,栃木県県北地域の住民など多岐にわたっています。原告の中には,東電の現役社員もいます。
今年の2~3月にかけて,当弁護団の担当する原告も含め15裁判所(16弁護団)1784名の原発事故被害者が提訴をしており,既に提訴している原告もあわせると17裁判所(18弁護団)6675名にもなります。

[原告の概要]

  • 都内等への避難者           19世帯    42名
  • 福島県田村市常葉町早稲川地区の住民  42世帯   152名
    [福島第1原発から30キロと数十メートルの地域。早稲川地区の世帯数は,約65世帯のうち,約3分の2の世帯に及びます。]
  • 福島県の他の地域(福島市,郡山市など)の住民 5世帯  20名
  • 栃木県の県北地域の住民      7世帯  20名[栃木県の県北地域は,福島県内よりも線量が高い地域もあるにもかかわらず,賠償問題では完全な「蚊帳の外」に置かれていました。この地域住民の集団提訴は,初めてです。]

[東電社員の提訴について~集団訴訟で初めて~]

  •  今回の提訴原告の中には,東電の現役社員も含まれています。 20代男性で,大熊町に在住,福島第一原発で勤務していました。これまで原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に申立を行ない,2回は一部賠償を受けましたが,3回目は東電が支払を拒否しました。

[本日の提訴の意義~線引き,切り捨ては許さない~]

  •  事故後3年経とうとしていますが,東電,国の誠意ある対応は見られません。原発ADRも,被害救済においては,限界があります。生活再建のためには,司法の場で加害責任を明らかにし,生活再建のための賠償,その他恒久対策(住宅,健康管理,就労,教育,差別防止など)を実現させていく必要があります。
  •  今回の提訴原告は,区域外避難者・滞在者,その問題が典型的に表れる早稲川地区,「自主的避難等対象区域」にもなっていない栃木県県北地域,切り捨てが行われる東電社員,いずれにも共通するのは,「線引き」による被害者の分断,被害の切り捨てです。
  •  私たちは,こうした「線引き」が無意味なものであることを明らかにし,全ての原発事故被害者がもとのくらしを取り戻すことが出来るよう,全力で取り組んでいく決意です。

[提訴後の記者会見]

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