カテゴリー別アーカイブ: 弁護団の活動

栃木県北地域の住民も提訴へ

昨日(4月20日)に那須塩原市の厚崎公民館で当弁護団による説明・相談会を実施しました。

当日は,10数世帯の方々が参加しました。まずは,当弁護団から,原発賠償の現状,特に栃木県北地域は事業賠償の一部を除けば完全に放置されていること,裁判を起こすことの意義(加害責任を明確にすることが賠償問題のみならず除染・健康管理等の恒久対策を責任を持って行わせるために必要であることなど),今後の提訴に向けての段取りについてなどを1時間ほど説明し,その後参加者からの質疑応答が1時間ほどなされました。
そして,個別の相談・聴き取りが行われました。
相談会終了後は,地元の市民団体の方々と今後の方針について協議をしました。

栃木県北地域は,現在でも放射線量が高い地域です。会場の公民館の入り口でさえ0.39μSv/時を示しています。しかし,賠償問題は放置されたままです。例えば,原発事故後に多くの方が自ら除染等を行いましたが,東京電力は,その除染にかかった費用すら支払おうとしません。充分な除染がなされないまま,生活に対する様々な不安を抱えながら生活を送っています。
この状況を打破するためにも,当弁護団としては,6月から夏ごろを目処に,国と東京電力を被告として損害賠償請求訴訟を提起する予定です。

栃木県北地域説明会20130420-2 栃木県北地域説明会20130420

栃木県北地域での説明会を行ないます(4月20日)!

当弁護団では,4月20日13時30分から,栃木県北地域での原発事故の賠償請求に関する地域住民・事業者向け説明会・相談会を開催します。

日時:2013年4月20日 13時30分から
場所:那須塩原市 厚崎公民館 [地図
[JR那須塩原駅から白河方面へ4キロメートル黒磯文化会館の隣,または,JR黒磯駅から西那須野方面へ4キロメートル黒磯文化会館の隣]

原発事故に関する福島県外の住民に対する賠償については,全く進んでいませんし,東電も基本的に応じようとしません。また,事業者に対する賠償については,風評被害などで一部なされているものの,充分なものではありません。

こうした現状を打破するためには,訴訟を視野に入れた対応を考えなくてはならない時期に来ています。そこで,説明会では,原発事故の賠償問題に関する現状,3月11日に東京地裁で提訴した集団訴訟の概要,今後の住民被害・企業損害の賠償請求の考え方等についてご報告するとともに,栃木県北地域における集団訴訟に向けた取り組みの方針についてご説明します。この取り組みは,単に賠償問題だけでなく,除染や子どもの健康問題,医療費など原状回復,恒久対策を求めていく上でも重要なものですので,そのことについてもご説明します。
そして,説明会後には,希望者には,個別の相談会を行ないます。

お問い合わせは,当弁護団(オアシス法律事務所 03-5363-0138)まで。

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司法修習生の学習会にて

3月22日(金)の夜,当弁護団の弁護士2名が66期司法修習生の7月集会実行委員会のメンバーの学習会に講師として参加しました。弁護団の共同代表の中川弁護士からは,原発賠償問題の現状と問題点,裁判を起こすことの意義(被害実態を明らかにし,国・東京電力の加害責任を認めさせ,生活再建のための完全賠償・原状回復のための施策を実現させること),3月11日の集団訴訟の意義・目的などについて話をしました。また,弁護団の深井弁護士からは,原発被害問題に取り組んだきっかけ・今の思い,「新人弁護士」としての1年間,現在取り組んでいること,弁護士としてのやりがいなどについて話をしました。

7月集会というのは,毎年,全国各地で修習をしている司法修習生(司法試験を合格し現在研修中の法律家の卵です。)が集まり(今年は京都),様々な社会問題について,全体会・分科会を通じて,自ら研鑽をしていく自主的企画です。今年は,『私たちを取り巻く社会問題を知り、当事者の立場に立って考え問題意識を発信し、共有しよう』を合い言葉としているとのこと。

そして,今年は,原発被害が全体会のテーマになるとのことです。

学習会には,東京だけでなく,福島などからも司法修習生が参加していました。参加していた司法修習生は,みんな熱心に講義を聴いている様子でした。司法修習を終えて,弁護士になる人は,是非,私たちの仲間として,一緒にこの原発被害の問題に取り組んでくれることを期待したいと思います。

修習生学習会20130322

【集会報告と集会宣言】動き出そう!第2回3・20広域避難者集会 in 東京

3月20日,都内で「動き出そう!第2回3・20広域避難者集会 in 東京」が開催され,約40名ほどの被災者・避難者,支援者などが参加しました。当弁護団も共催です。

当日は,第一部シンポジウムとして,東京災害支援ネット(とすねっと)代表の森川清さんから被災者・避難者支援の政策に関する現状と課題について,きらきら星ネット共同代表の信木美穂さんから避難世帯の支援の現場報告について,当弁護団の共同代表の中川から原発賠償,特に訴訟についての報告がなされました。

続いて,第二部では,被災者・避難者のリレートークが行われ,多くの被災者・避難者が今置かれている状況の困難さ,将来への不安,苛立ちなど,心から訴えていました。参加者は,そうした声を,みんなで聞き入っていました。このリレートークの内容については,まとめた上で,政府に伝えていくことになります。

3.20集会

[写真は,集会の様子。上段右は,東京訴訟の原告の鴨下さん]

そして,さいごに,集会宣言が採択されました。以下,宣言をご紹介します。

集会宣言

  東京電力の福島原発事故から2年がたちました。
今も、福島県、栃木県などの幅広い地域が、放射能によって汚染され、その空間放射線量は高いままです。また、福島第1原発4号機などの使用済み核燃料プールも不安定で、停電や地震などをきっかけとして臨界事故が起きる可能性があります。
被ばくや事故の危険から逃れるため、15万人以上が全国各地に広域避難を続けています。しかし、避難者や放射能汚染地域の住民に対する公的な支援は十分では ありません。原発事故子ども・被災者支援法は昨年6月に成立しましたが、支援の前提となる基本方針の策定はストップしたまま。逆に、高速道路の有料化や、新しく避難する人に対する住宅の提供の打切りなど、支援の打切りが進んできました。
こうした状況の中、昨年の広域避難者集会では、区域外の 避難者・住民に対する高速道路の無料措置の継続を求める声が上がり、これをきっかけとして無料措置を求める動きが全国に広がりました。政府は、今月15 日、ついに一部の区域外避難者に対して無料措置を再開するとの発表を行いました。1年間にわたって署名活動、集会や申入れを行い、動き続けたことで、重い 扉が少し開いたのです。
原発事故が起きた責任は、政府と東京電力にあります。半恒久的な避難住宅の提供、国による健康・被ばく検査、医療費 の公費負担、避難先での住民並みサービスの拡大など、支援の扉はもっと大きく開かせなければなりません。東京電力の不十分で頑な賠償の姿勢も、裁判に追い 込むことで、改めさせなければなりません。十分な支援と賠償を実現させるためには、ひとりひとりが、政府やマスコミ・一般市民に対して働きかけを強めてい く必要があります。
きょうは、避難世帯の皆さんから、たくさんの声が上がりました、次は動き出す番です。来月には政府に要望書を提出します。黙っていては何も変わりません。みんなで一緒に、動き出しましょう!

平成25年3月20日
「動き出そう!第2回3・20広域避難者集会in東京」参加者一同

「動き出そう!第2回3・20広域避難者集会 in 東京」を行います!

「動き出そう!第2回3・20広域避難者集会 in 東京」のご案内

 原発事故から2年が経過しましたが、政府による避難者支援は遅々として進まず、東電が任意に支払っている賠償金は極めて低額であり、支援が乏しくなる中で、避難者のみなさんは苦しい生活を余儀なくされています。
 住宅などの支援を充実させ、東京電力に完全な償いをさせるには、ひとりひとりの行動が必要です。もはや黙っていては何も変わりません。みんなで一緒に動き出しましょう。
ぜひ、避難者の方をはじめ、多くの皆さんにご参加いただきたいと思います。

日時:2013(平成25)年3月20日(祝・水)
午前10時40分~午後1時30分(10時20分開場)

場所:東京都新宿区四谷1-8-6 ホリナカビル3階
TKPスター貸会議室 四谷(第2会議室)
※四ツ谷駅前の四ツ谷交差点から新宿方向に向かって右手の歩道を約100メートル直進

 当日は、四ツ谷駅麹町口そばの「ニコラバレ修道院」地下にて、きらきら星ネットのボランティアがお子さまをお預かりしますので、お子さま連れの方はニコラバレにお寄りください。お昼をはさむので、会場内には飲食物の持ち込み自由です(申し訳ありませんが、ゴミはお持ち帰りください)。参加無料。事前予約等は不要です。多くの方のご参加をお願い申し上げます。

第1部 ミニシンポジウム「支援と賠償、今どうなってるの?」
パネリスト:森川 清(東京災害支援ネット代表、弁護士)
       信木美穂(きらきら星ネット共同代表、詩画集「絵と詩の祈り ひまわりの丘」著者)
       中川素充(福島原発被害首都圏弁護団共同代表、弁護士)
司   会:後閑一博(東京災害支援ネット事務局次長、司法書士)

第2部 思いを伝えよう!避難者リレートーク
※避難生活での思い、政府・自治体への要望、東電に言っておきたいことなど、避難者のみなさんは自由に発言してください。匿名での発言大歓迎!リレートークの内容は「避難者の声」としてまとめて活字化し、まとめて政府に要望書とともに届ける予定です。避難者の方は、この機会に是非発言をお願いします。

<主催>
東京災害支援ネット(とすねっと) きらきら星ネット 福島原発被害首都圏弁護団

この件の連絡先=下町の太陽法律事務所・山川幸生(弁護士)電話03(6659)3113
避難者の方は0120-077-311

本日提訴しました!

本日午後,3世帯8名が,国と東京電力(株)を被告として,東京地方裁判所に提訴しました。
いずれも区域外避難者です。区域外避難者は,被害者として扱われず,様々な軋轢や差別・偏見への恐怖などから,自らの被害をなかなか訴えられない状況にありますが,そういう被害者が声を上げたことは,他の被害者にとっても心強いものであり,本日の提訴は大きな意義があります。
今回は,小さな訴訟提起ですが,現在も区域内外を問わず数十世帯の被害者が依頼,相談しており,今後,追加提訴を行なう予定です。
また,避難者だけでなく,福島県内やその周辺で不安な日々を送っている方々からも依頼,相談を受けており,訴訟提起をする予定です。

入廷

提訴前の様子。真ん中は,原告の鴨下祐也さん。

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完成した訴状。提訴の受付を確認した印も押されています。

提訴会見

司法記者クラブでの提訴の記者会見です。